歳時記(小岩川・早田・鼠ヶ関)

  【小岩川】
月日
行事 ・祭事
1月
・太子講・・・職人達が集まり、西光寺本堂に聖徳太子像を祀り、住職が聖徳太子の霊の供養と職人達の一年の商売繁昌、身体堅固、交通安全、家内安全を祈願する。さらに、参会者の先祖の供養も行い、精進料理で会食する。職人達の親睦会。聖徳太子は建築大工の技法を考案したことで知られる。
3月15日
・祈年祭・・・今年の五穀豊穣を祈願する。
4月15日
・神輿押し祭・・・若者達が12時頃に神輿をかついで神社を出発し、村を回り、浜に出る。このお神輿と共に大きな舟神輿も回る。それは、六十歳から七十歳までの舟持ちの奥さん達が紋付の盛装をして綱を引く。三回綱を引くと息災長生のご利益があると言われている。浜の祝詞場にお神輿が安置される。四隅に竹、椿、幟などが立ててある。若者達は上組下組それぞれ半分ずつ両方に分かれて交る交る砂浜で、神輿の前棒・後棒にとりついて押し合う。行列の時は、長着物の尻ははしょりで黒い脚絆、白足袋、草履であったが、浜に下りると着物を脱ぎ、揃いのシャツ、モンペに黒帯、鉢巻姿の軽装になってお神輿を担ぎ祭場を一周すると向かい合い両組の旗持ちのかけ声と共に押し合う。双方4、50人ほどの若者が湯気の立つほど競い合う。半分ずつ交替して12回も勝負する。この神輿押しは、最後の12回目が最も大切である。その力の出し切った最終戦で、上が勝てば漁が良く、下が勝てば田畑が豊作だという。出稼ぎ就職の人達もこの日は必ず帰って、お神輿に就くという祭りは、連帯を固める絆であり、それをみそわす産土神のご嘉納を生きゆく力とする古来の日本人の姿を如実に見せてくれる典型的な祭りであるある。
5月上旬
・サナブリ休み・・・田植えが終わったところで、田の神様に豊作を感謝しながら休養する日。
6月上旬
・サナブリ休み・・・田植えが終わったところで、田の神様に豊作を感謝しながら休養する日。
7月15日
・天王様・・・住吉神社に新しい野菜、初物キュウリを2本ずつ持ち寄り、1本は神に供え、1本は自分で食べる。
11月10日
・カブの年夜・・・家の株が大きくなることを祈願する。大きいぼた餅をつくり祝う。家の株を逃さないように、このぼた餅は他人の家にはやらない。
12月 9日


12月12日

12月

・大黒年夜・・・三面大黒様を祀るいわれから、三つ股の大根と7色(種)の豆料理を供え、豊作を感謝する。7色(種)の豆料理を供えてもなお足りないといわれた。それは、まめで働きこまめに働くことを進めたもの。
・山の神祝・・・職人は、何によらず山に関係がある。木や土に1年間お世話になった感謝の意味の感謝祭。親戚を招いて酒宴する家もある。一般的には、赤飯を神に供え、親戚に配る。
・船玉祝・・・漁師は、海と船との関係が深いので、1年間お世話になった船の神様(霊)に感謝する感謝祭であり、海と船にお神酒を供えて拝む。船主は、乗務員を招き酒宴する。
  【早田】

行事 ・祭事
1月 6日

1月15日

・太子講・・・大工及び職人の安全祈願。寺で祈願し、公民館で会食する。当前のしきたりがあって、世話をする。
・鳥追い(ヤタラ追い)・・・大神宮様の高台より村に向かっていろいろの言葉を叫ぶ。悪い鳥を追い払い、上作を祈る行事。
2月3日

2月11日
・節分・・・「福は内、鬼は外」と豆をまき、一家に病気や悪いことがないように悪いことからは外に行ってもらう。
・紀元祭・・・神社で祭典。
3月17日
・祈年祭・・・神社で祈祷する。農家では田の神おろしといって、餅をついて神に供え、今年の豊作を祈る行事。
4月 1日
  ~5日
4月17日

・節句・・・1月遅れの節句で、お雛様に桃の花と草餅を供え、女の子を祝う。

・諏訪神社例祭・・・大祭が終わると、若い衆が神輿をかついだ行列が村を回る。終わってから、公民会で直会。
5月5日

5月5日頃
・端午の節句・・・男子の節句として鯉のぼりを高く上げて男の子の健やかな成長を願う。笹巻きをつくり祝う。菖蒲湯を沸かして入る。
・菖蒲シワギ・・・男の子たちが、菖蒲と蓬を束ねて、部落上と下に分かれて打ち合う。
6月30日
・大祓祭・・・過去の無事を感謝し、今後の無事を祈る。
8月13日
~19日
・盆・・・墓参り、大龍寺に檀家が参集し、施餓鬼法要を行い、先祖の供養をする。14日夜、盆踊りで町道をねり歩く。
10月9日
・菊の節句・・・栗、赤飯を神仏に供える。
11月 9日
11月23日
11月26日
11月28日
・カブの年夜・・・赤蕪の大きいのを神に供え、自分の家の財産も大きくなるように祈願する。
・新嘗祭・・・神社で祭典、餅をついて祝う。
・二十六夜・・・昔、海で遭難者があり、その冥福を祈る。
・孝子講・・・大龍寺において、孝子慶玉の供養を行う。主に、婦人。
12月 9日
12月11日
12月12日
12月15日
12月31日
・大黒の年夜・・・三つ股の大根と豆料理をつくり、神に供える。
・船玉様の年夜・・・漁船を持っている人は、「船ムカエ」に行き、1年の無事を感謝する。
・山の神様・・・職人や農家などが餅をついて祝う。
・大すけ小すけ・・・暴れ川にならないように祈願する。(鮭の供養)
・大祓い・・・1年の無事を感謝し、今後一層の繁栄を祈る。
  【関】

行事 ・祭事
1月11日
1月14日夜

・船霊の年祭・・・船の守護神として漁師や船乗りが信仰する船霊様を祀り各家で酒宴する。
・厳島神社の年夜・・・当年の祭典の当屋を決める。
3月9日前後の日曜日
3月16日
・春の湯の花祭・・・当年の祈願祭。五穀豊穣、大漁満足、交通安全、海上安全を祈願する。

・田の神おろし・・・田の神様をお迎えして、当年の豊作を祈願する。お餅などを供える。
4月15日
・お神輿流し・・・弁天様でお神輿の神移しの儀式が行われる。精進徒の若者達は、半々ぐらいでお神輿をかついで勢いよく村を回る。舟神輿、子ども神輿も一緒に回る。それに獅子頭が赤と黒の2つが2つずつ幕の中に入る。この行列はあちこちの小祠や若宮様や山の神などすべて洩れなく巡拝する。鉄橋下の川原で熱燗の酒を飲んで、お神輿は勢いよく川に入る。はじめ半数の人が担いで中流に入り、お互い水しぶきをあげて揉み合い組み合う。その後もう半数も参加する。流れ下るお神輿を綱で引きもどし、引きもどししながら、1時間も流して漸く向いの浜に上がる。そして今度は紋付に着替えて祝詞場に集まり、お神輿を安置し、夕刻、お神輿は厳島神社に還御する。
7月上旬
3日間
7月14日夕
・サナブリ・・・田植えが終わると田の神祭をして、田の神様を送る。村で3日間を決めて村休みとする。農家では、餅をついて田の神に供えて祭る。
・天王様・・・八坂神社・・・初物キュウリを供えて、八坂神社に参詣する。悪事災害よけの祈願をする。
9月15日昼
・八幡様を公民館にお祀りして、全戸がご馳走を持ち寄りで安全祈願と五穀豊穣を祈願して酒宴する。
11月9日夕

11月23日

・カブの年夜・・・恵比寿大黒様にその年に出来た大きめの蕪と尾頭付きの魚とお神酒を供え、その年の無事に感謝しお神酒をいただく。
・この日は全労働者の勤労感謝の日であるが、農家はとくに田の神上げといっている。各農家は、餅をついてその年の収穫に感謝し、一日休みとする。元は、11月16日に行っていた。神社で祭典がある。
12月 9日


12月11日

12月12日
12月16日

12月
・大黒様の年夜・・・大黒様にその年に出来た三本股大根と尾頭付きの魚とお神酒を供える。その他、豆ご飯、豆腐田楽、豆なますをご馳走にお神酒をいただいて、その年の無事に感謝し、健康で働けるように祈る。
・船霊様・・・船の守護神として漁師や船乗りが信仰する船霊様を拝み、その年定めた宿に集まり、海上安全を祈願し酒宴する。
・山の神様・・・山に感謝する気持ちで、山の神シトギ、お神酒、餅その他の物を供え祀る。
・秋葉様・・・火の神様に火難よけを祈願する。シトギ、お神酒、赤飯、浜焼きを供え、持ち寄りのご馳走で昼食、お酒をいただく。
・太子講・・・大工、左官等職人達が曹源寺の聖徳太子像を拝み、その年の無事を感謝し、またその後の無事を祈願し、その年に定めた宿で酒宴する。
(参考:五十嵐文蔵著「庄内地方の祭と芸能」)
(参考:温海町教育委員会「ムラに伝わる行事」)

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