庄内浜の概要

【海岸の特徴】

庄内海岸は、北から遊佐町、酒田市、鶴岡市、温海町と続き、鼠ヶ関までの約60kmとなっている。道路の総延長は約85kmで、海岸沿いに近いところもあれば、平野に近いところもある。


北部の約10kmは、一部は鳥海国立公園に入っており、鳥海山噴火による溶岩流が海水で冷却された火山海岸である。西鳥海火山帯の猿穴の火口から灼熱の状態でマグマが流下して、日本海の海水中で冷却したと考えられる。吹浦の十六羅漢の石像は、この岩体に刻み込んだものであり、かんらん石と輝石の鉱物が最も多く含まれる。これは女鹿石、鳥海石として建材用、庭石用に用いられている。


吹浦から湯野浜までの約35km(幅1.63.2km)は砂丘海岸である。この砂丘は日本三大砂丘の一つであり、スケールも大きく構造もはっきりしている。海岸線に平行に2~3列の砂丘脈からなり、最上川以南の海岸では西部砂丘、中部砂丘、東部砂丘に分かれており、東部砂丘が最も高い(77m)。この砂丘地は「庄内メロン」などの畑地として利用されている。庄内空港があり、庄内と東京の重要な交通機関となっている。


立岩 加茂から南端の鼠ヶ関までの約15kmは、磯浜海岸の岩石海岸である。この海岸は断層隆起海岸で、堆積岩、泥岩、砂岩を貫いて玄武岩が噴出してできている。それが南から「鼠ヶ関の弁天島」、「五十川の石切場」、「暮坪の立岩」、「塩俵石や池の間の岩石」、「小波渡のカラス岩」まで続いている。この岩石は硬く浸食されにくいので、岬になって海に張り出している。「おばこおけさライン」(国道7号線)の美しい景観を作っている。

 また、波の力で浸食作用が働き、奇岩・奇景を作り、風光明媚な県立庄内海岸自然公園に指定されている。


【庄内海岸の立岩】

庄内海岸の景観の特徴として、「立岩」の名のついた目立つ巨岩と岩石の柔らかいところが浸食されてできた海食洞が数多くあったが、国道7号線の拡張工事で壊された。

「立岩」では「暮坪の立岩」、「中波渡の立岩」、「三瀬の立岩」などが残っており、「おばこおけさライン」の美しい風景に花を添えるように立っている。

立岩「暮坪の立岩」「中波渡の立岩」の岩質は木材を積み重ねたような方向性がある。柱状節理の玄武岩の溶岩である。この地下のドロドロとしたマグマが次々と出てきて冷却し重なったために立岩になったものである。冷却後のすき間に二次的に白い結晶の沸石や牛乳色のメノウ化した石英脈が入り、美しい鉱物になっている。また、この地方が北限という県指定の天然記念物のマルバシャリンバイや暖地性のタブの木なども自生している。

 「三瀬の立岩」の岩質は角礫凝灰岩で火山灰の中に安山岩質の岩片が角礫となって多く含まれて硬いため、その部分が凸部になっている。この立岩は海岸の波に浸食で削られて切り立ったものである。

海食洞では、三瀬海岸の八乙女洞窟が有名で、「洞窟が遠い羽黒山まで続いている」とか、「八人の乙女と蜂子皇子の出会い伝説」などにより観光地になっている。その構造は日本の断層がやや平行で傾いて走っており、その中間の柔らかい岩石が浸食されて空洞化し、中央部に三角錐の巨岩が天井から下がっている。これらの洞窟内を小舟で一周することができる。

また、この海岸一帯は絶好の釣り場であるため、岩や島に名前があり伝承がある。


【庄内海岸の地名と港・漁港港、海水浴場】

海岸線に面する地名は、北から南に、遊佐町の女鹿、滝ノ浦、鳥崎、湯の田鉱泉、釜磯、吹浦、十里塚、服部興屋、青塚、マリーナ白木。酒田市の宮海、古湊、宮野浦、十里塚、浜中。鶴岡市の湯野浜温泉、宮沢、金沢、加茂、今泉、油戸、由良、三瀬、小波渡、堅苔沢、五十川、鈴、暮坪、温海、釜谷坂、大岩川、小岩川、早田、鼠ヶ関となっている。

港・漁港は、女鹿漁港、吹浦漁港、酒田港、加茂港、油戸漁港、由良漁港、三瀬漁港、小波渡漁港、堅苔沢漁港、鈴漁港、暮坪漁港、米子漁港(温海)、温福漁港(温海)、大岩川漁港、小岩川漁港、早田漁港、鼠ヶ関港、飛島漁港などで18港ある。


海水浴風景

また、海水浴場は、釜磯海水浴場、西浜海水浴場、遊佐町十里塚海水浴場、宮海海水浴場、浜中あさり海水浴場、湯野浜海水浴場、加茂レインボービーチ、三瀬海水浴場、小波渡海水浴場、マリンパークねずがせき(鼠ヶ関)、飛島海水浴場などで11ヶ所である。





(著書「鶴岡の自然」 編者「鶴岡の自然」編集委員会 発行所「鶴岡の自然」刊行会より)


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